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グッバイ・クルエール・ワールド~新たなる旅立ち~

ときに熱くなったり、冷たくなったりするブログ

”アメリカ一惨めな街”から産まれたギターロック、クラウド・ナッシングス

音楽

2010年の調査、らしいがアメリカで最も”惨めな”都市はオハイオ州にあるクリーブランド、だそうだ。

 

jp.reuters.com

 

なんちゅう調査だ、と思うし住んでる人はお気の毒、としか言いようないが、高い失業率と鬱陶しい天気がその理由だそうだ。

 

そのクリーブランド出身のバンド、クラウド・ナッシングスが今年発表した新譜をここ最近よく聴いている。

 

ライフ・ウィズアウト・サウンド

ライフ・ウィズアウト・サウンド

 

 

Life Without Sound

Life Without Sound

  • Cloud Nothings
  • オルタナティブ
  • ¥1500

 

もう何年もギターロックバンドのアルバムなんて買ってなかったんだけど、このバンドはほんとによい。例えばデス・キャブ・フォー・キューティーなどの”90年代オルタナ・ロック”直系のギター・ワーク、なんだけど、とにかく次から次へと激流のごとく沸き上がるようなメロディーが気持ちよすぎて、つい何度もリピートしてしまう。

 


Cloud Nothings - "Internal World" (Live at WFUV)

 

またポップなんだけど、全編にどこか刺々しいというか、苛立った不穏な空気感が漂っているのもいい。最も惨めな街で生まれた郊外の(文化系の)若者たちの鬱屈が爆発している…そんな感じ。このフィーリングは日本の衰退する郊外に生きる、とっくに青春期を通り過ぎた俺にも肌感覚でビシビシ伝わってくる。

 

う~ん、でもこの歳になってもこうしたギターロックバンドに惹かれる感性が自分に残ってんだなぁ、って不思議な気持ちにもなるぞ。

 

イギリスの超カッコいいおっさん達、スリーフォード・モッズ

音楽

イギリスの二人組ユニット、スリーフォード・モッズの初の日本盤が3月に発売される!というニュースにひとり沸き立ってる俺、なのだ。

 

https://www.instagram.com/p/BQP3FNhlS0s/

TVブロスの記事。うわっ!?とうとうスリーフォード・モッズの日本盤出るんだ!快挙!イギーポップの言葉に偽りなし!

 

 

English Tapas [帯解説・歌詞対訳 / ボーナストラック1曲収録 / 初回盤のみ【Rough Trade】ステッカー付] / 国内盤 (RTRADCDJ925)

English Tapas [帯解説・歌詞対訳 / ボーナストラック1曲収録 / 初回盤のみ【Rough Trade】ステッカー付] / 国内盤 (RTRADCDJ925)

  • アーティスト: Sleaford Mods,スリーフォード・モッズ
  • 出版社/メーカー: BEAT RECORDS / ROUGH TRADE
  • 発売日: 2017/03/03
  • メディア: CD
  • この商品を含むブログを見る
 

 

 

TVブロスの記事には”バンド”と紹介されているが、この二人共にライブでは楽器を一切演奏しない。スタンドマイクにまるで噛みつくようにラップともスポークン・ワードともつかないがなり声でひたすら叫ぶヴォーカルと、その隣でノートパソコンのボタンをポチっと押し音源を再生するだけ(!)のオッサン、というちょっと異様な光景が展開される。

 

 


Sleaford Mods live Melt! 2016 full show proshot

 

肝心なバックトラックも、パンクバンドのイントロを抜きだし延々ループさせてるような、あっけないほどミニマルで簡素。そもそも英語が理解できないから何を言ってるのかも皆目分かんないんだが、それでもカッコよくってたまらない。苛ついてる感じがビンビン伝わってくる。で、ここ最近は気づくとこの人たちのライブ映像を観てしまう。

 

近いな、と思うのはマンチェスターのひねくれパンク・バンド、ザ・フォール。単調なリフを延々繰り返してぎこちないグルーブを作り出す感じはまさにそっくり。ちなみにリーダーであるマーク・E・スミスの強烈な個性は日本じゃ絶対受けないだろうな、と思われるのだが、俺はライブでのやる気があんのかないのか分からない傍若無人な振る舞いが結構好きなのだった。

 


Blindness - The Fall

 

元々彼らのことを知ったのは、イギリス在住の保育士兼ライター、ブレイデイ・みかこ著の本に取り上げられていたから。

 

ザ・レフト─UK左翼セレブ列伝 (ele-king books)

ザ・レフト─UK左翼セレブ列伝 (ele-king books)

 

 

ヴォーカルのオジサンは労働党に入党するくらい(現在は不明)政治に入れ込んでる人、らしい。まさに”ワーキングクラス・ヒーロー”、地べたに生きる者としかいえないふてぶてしい面構えにはリアリティーがある。

 

この人たちは、この一本調子で無骨なスタイルで行けるとこまで行ってほしい。そんでこの機会に来日してくれると嬉しいな。

 

オーケストラポップ・バンドの新鋭”マザー・ファルコン”

音楽

アメリカに”tiny desk concert"というネット番組(?)がある。毎回本屋さんの片隅のスペースでいろんなミュージシャンがライブをする、というシンプルなコンセプトなのだが、これが面白くてよく視聴している。

 

場所が場所だけに基本アコースティックかつ小音な演奏で、アデルのような世界的な人気歌手が普通に出演してたりするのも魅力。ここでチェックしたアーティストで気に入ったのをItuneなどで購入、という流れが最近多い。

 

例えば


Dan Deacon: NPR Music Tiny Desk Concert

 

見た目は完全に冴えないおじさんが創り出すとち狂ったエレ・ジャンク・ダンスポップ。途中から客に踊らせる展開が楽しすぎる!

 

 


Margaret Glaspy: NPR Music Tiny Desk Concert

 

新進気鋭のSSW。ルーツ音楽に根差してながらもどこかひねくれたギターワークと、仕事のできる美人OL風のルックス…なのにドスの効いた唄声がよいね。

 

あれ、二組ともアコースティックでもなんでもないな…まぁいいか。

 

で、新たに見つけたが”Mother Falcon”という大所帯のユニット。

 


Mother Falcon: NPR Music Tiny Desk Concert

 

『クラシック習ってるけど僕達だけどレディオヘッドとかも好きなの~!!』(実際レディオヘッドの”OKコンピューター”をまるまるカバーしたアルバム出してる)、って風情の若さ溢れる演奏にキュンとした俺(笑)、車内でこの人たちのアルバムをヘビーロテーションしてる。冬に向かうこの季節にピッタリなハートウォーミングな音楽だと思う。

 

You Knew

You Knew

  • Mother Falcon
  • オルタナティブ
  • ¥750

 

MF Computer (Radiohead’s OK Computer Reimagined)

MF Computer (Radiohead’s OK Computer Reimagined)

  • Mother Falcon
  • オルタナティブ
  • ¥900

 

 

左手首骨折、そして入院

日常

先週月曜、会社から帰ろうとバイクに乗ってたら転倒、左手首を骨折してしまった。

 

事故直後、歪な形にずれた手首と激痛で軽いショック状態。救急車で近くの病院で診断してもらったら粉砕骨折、とのこと。しかし震災の影響で手術予定が重なっており、一週間くらい先になるかも、と言われる。

 

結局その日は手を固定する処置のみ、だったので激痛は止まず、ほとんど眠れなかった。次の日、別の病院で診察してもらうと「これ、すぐ応急手術しないとマズイです」とのことで急遽、手術。そしてそのまま入院することに。最初の病院、なんだったの(怒)…

 

 f:id:gubakuruitich:20160619200934j:image

 

そしてイラストに描いたような処置をしてもらった。明日はいよいよこの取り付けている金具を外し、砕けた骨の代わりになり金属を取り付ける、とのこと。

 

人生初の骨折、そして一週間以上の入院も初。この記事は、ひっそりと静まり返った四人部屋の病室にてスマホで打ち込んでる。見知らぬ人の話し声やオナラやいびきの音を聞きながら。

 

片手が全く使えないので、病院スタッフの方々、そして家族の手助けなしではいろんなことができない(なにせ歯磨きひとつとっても大変だ)。改めて人の優しさのありがたみを感じている。ほんとは普段の生活から気をつけておかないといけないんだが、自分でなんでもできるとついつい過信してしまうのだな。

 

病室を出て、外の景色が見えるラウンジに腰掛け時間を潰す。しばらく重い物持ったり工事もできないかもだし、退院後の仕事のことを考えると憂鬱になるが、こればかりは仕方がない。目の前のことを少しずつ乗り越えることしか今はできない、と腹くくって頑張るしかない。

 

 

実録・熊本地震のこと

日常

2016年4/14及び16日、熊本と大分付近で起きた大規模な地震の影響でてんやわんやしていたが、やっとこうしてパソコンの前に座りブログを書けるくらいに落ち着いてきた。今後この時のことを振り返るためにも、憶えてることを記しておきたい。

 

熊本地震 (2016年) - Wikipedia

 

前震と呼ばれる14日の地震が起こったのは午後21時頃。いつものように家のソファに寝ころんでスマホをいじっていた俺。最大震度7が観測された揺れだったそうだが、その予兆的なものはなかったと記憶してる。時間にして4.5分だったような、とにかく今まで経験したことのない揺れが収まると、ちょうどお風呂に入っていた嫁が動揺して飛びだしてきた。そして7歳になる娘は、だれに教わったのか知らないが自主的に机の下に隠れていて無事だった。

 

 

俺たち家族が住んでるのは築40年以上経ったオンボロアパートで、同じアパートの別の部屋には80歳になる俺の母親が一人で暮らしているのだが、どうやら我々が住む2階に比べて揺れはひどくなかったようで、母親の部屋は特に乱れた様子もなく、母自身も何事もなかったのだった。

 

次の日仕事場には電話がジャンジャン鳴ることとなった。というのは俺の職場はプロパンガスの販売店だからだ。特に多かったのはガスメーターが感震機能で遮断しガスが使えない、そして高さ160センチほどの50キロボンベが倒れている、という問い合わせだった。ボンベにはこうした地震に備えチェーンを巻いているのだが、壁にビスで止めてあるチェーンの金具がボンベが揺れたために引っこ抜かれ、たまらずボンベごと倒れてしまったのだ。

 

その日は終日そうしたお客さんへの対応に追われた。しかしその時は、2日後に再びドデカイ地震がくるなどとは露ほども思っていなかった…

 

matome.naver.jp

 

いや、実際はニュースなどで『今後も大きな地震に気を付けて』と散々言われていたし、震度3~4程度の揺れはこれでもか、というくらい来ていた。しかし嫌な予兆はなるべく否定したい、というのが人の性、『もうあんなに酷いやつは来ないだろう』と思ってた…つうか思いたかった。

 

16日に起こった本震は、夜中の1時。家族とは別の部屋で独りで寝ていた俺はその前回よりも激しさを増した揺れに『あ、マジでヤバイ…』と恐怖を感じながら必死で揺れが収まるのを待った。正直生きた心地はしなかった。

 

 

停電も起こった。俺の住む地域は30分ほどだったと思う。暗がりの中、家族のいる部屋に行くと、今度は食器棚の中の食器がいくつか飛び出し割れたりして若干危険な状態だった。この時は、堪らず取りあえず車に必要だと思われる物を詰め込み、近くの公民館に家族全員で駆け込んだ。

 

公民館には、すでに3.40人くらい避難している方々がいた。その中には娘の同級生の子もいたので、子どもたちはこの緊急事態でも嬉々としてゲームなどをして遊んでいた。顔見知りの親御さんと情報を交換したりして、その日は公民館近くに車を停めその中で寝たのだった。

 

 

朝になり会社に行くと、駐車場のアスファルトにビリビリとひびが入り、なおかつ建物と地面の間に5センチほどの隙間が出来てて、いかに揺れが大きかったのかと愕然とした。2階にある事務所はメチャクチャ。会社の周りの道は凸凹になり、なかには陥没してる箇所もあり。瓦が割れ階下に落ちている。塀が倒壊し足の踏み場がなくなってる。古い家屋の壁が崩落し危険な状態になっている、などなど…。14日の地震で弱ったところにとどめを刺されたかのごとく、信じられない光景が広がっていた。

 

 

熊本城の石垣などがズタボロに崩れ落ちた、阿蘇大橋が、健軍のマルショクが倒壊したなど俄かには信じられないニュースも耳に入ってきた。あぁ、ほんとにとんでもないことが起こってしまったんだなぁ、と痛感せずにはいられなかった。

 

お客さんからの連絡も増え続け、その対応に必死に追われ、いつの間にか夕方。こなせなかった対応は明日以降に回そう、とにかく家に戻り休息しよう、ということで帰宅したはいいものの、当然落ち着けるわけもなく、その日も家族は公民館へ避難。その上俺は前日慣れない車中泊したおかげで風邪気味になってしまい、あまりにしんどいので家で寝ることに。

 

ちなみにこの時点では熊本市内一円ほぼ全ての地域で断水していたのだが、貯水タンクを使ってる我がアパートではまだ水が出ていた。しかし結局数日後にはそのタンクも底をつき、水が止まってしまったのだが。

 

 

嫁は、山際に建つ我がアパートが土砂崩れの影響を受けるのでは?と不安がり、子どもを連れて自分の実家である鹿児島に避難していった。それから10日ほどは俺と母の二人で生活をした。普段母は、冷凍庫にたんまりと食材を保管していたので、スーパーが閉まっていて生鮮品が手に入らない中でも、ある程度の食事を作ることができたのだが、とにかく水が出ないので洗濯とお風呂が困ることとなった。

 

洗濯は車で15分ほど離れたところにあるコインランドリーが開いてて助かった。普段は誰もいないのだが、このときは経営してる方なのか知らないが女性の方がつきっきりで来た人に順番を示す番号札を渡し、なおかつ待ち時間が2時間以上になるので、順番が来たら携帯に電話してくれる、というサービスまでしてくれていた。これはほんとに助かった。

 

お風呂は近所の温泉施設を覗いたら人が溢れかえっていたので、車で1時間くらい離れた場所にある浴場に母と通った。当然そこでも待つことにはなったのだが、近所よりかは幾分すんなり入場することができた。

 

そういえば俺がツイッターで『水が出ない』と呟いたところ、随分連絡を取ってなかった友人が『自分ちは水が出てお湯も使えるので、いつでも来てください』と連絡してくれた。母がいて自分ひとりで行くわけにもいかなかったので、その好意に甘えることはできなかったのだが、ほんとに嬉しかった。この場を借りて再度感謝を述べたい。F君、あの時はありがとう!

 

…しかし世の中にはそうした善意の人もいれば、とんでもない輩もいまして。江津にある、とある温泉施設に行った時のこと。人でごったがえす浴場でそそくさと体を洗い、湯船につかり、さて出ようかを思ったその時、ロッカーキーを洗い場に置き忘れたことに気づき急いで戻ったが見当たらない!で、そのロッカーに戻ってみるとキーが刺さっている!中を確かめると財布から札だけ抜き取られていて、思わず泣きたくなったよ…警察に連絡をし被害届も作成したのだが、結局今に至るまで何の音沙汰もないのだった。

 

 

(このツイートを読んだ遠方に住む女性の友達が『(俺の)銀行口座の番号教えて。ちょうど募金しようと思ってたとこだったから』と連絡くれたのも、もちろん丁重にお断りはしたけど、ほんとに嬉しかった。ありがとうK子ちゃん!)

 

 

断水から数日後、そろそろ浴槽に貯めていた水も底をつきそうになりヤバいな、と思ってた頃、関西方面から来てくれた給水車からビニール袋に入った水を貰えたことで、なんとかやり過ごしながら、ほんの3日ほど前に我が地域でも断水が解消、やっと通常の生活に戻ることができた。月並みではあるけど、水の大切さをこれほど痛感したことはなかったな。

 

 

今でも避難所での生活を余儀なくされている方々がいる中で、とりあえず住んでいる家が倒壊を免れたのは幸運としか言いようがない。とはいえ、これを書いてる現在も余震は断続的に続いているので、また大きい地震が来るのでは?という不安は常につきまとっている。結局のところ、この日本において、こうした大規模な地震が起こる可能性が0な場所などどこにもないのだ。1995年の阪神淡路大震災、そして2011年の東北地震をなんだかんだいっても他人事として感じていた自分が今はほんとに呑気であったな、と思う。

 

Facebookやメールで安否を気遣ってくれた、東京と福岡で暮らしてた時に知り合った友人たちにも心からありがとうと言いたい。ほんとに励みになったから。まぁしかし、なにはともあれ生きててよかった。そんな気持ちでいっぱいだ。

 

 

地震イツモノート (ポプラ文庫)

地震イツモノート (ポプラ文庫)

 

 

 

 

福岡にある”宅老所よりあい”を描いた本『へろへろ』のこと

本・雑誌

以前このブログで福岡にある老人介護施設”よりあい”についてしか書いてない、というなんとも不思議な雑誌『ヨレヨレ』のことを取り上げた。

 

gubakuruitich.hatenablog.com

 

熊本市新町にある本屋さん”長崎次郎書店”がこの『ヨレヨレ』を取り寄せてることもあり、今まで出てる4号は全てコンプリートしている(仕事帰りに立ち寄れる本屋があるのっていいよね)。普段なかなかその内実を知り得ない老人介護施設の日常をユーモアたっぷりに綴られた内容もだけど、ここまで作り手の趣向が剥き出しになってる雑誌って他にない、という意味でもほんとに面白くて、何度も読み返したりしてる。

 

さて、その作り手である編集者・鹿子裕文氏が去年本を出版した。それが『へろへろ』

 

へろへろ 雑誌『ヨレヨレ』と「宅老所よりあい」の人々

へろへろ 雑誌『ヨレヨレ』と「宅老所よりあい」の人々

 

 

 

1991年、ひとりの独居老人のお世話をするためにお寺を借りて3人の介護士がデイサービスを始めたのがそもそものきっかけ。その後、ボロボロの古民家を改築し″宅老所よりあい”がスタートする。

 

この本は”よりあい”の創成期から理想の特別養護老人ホーム建設のため約3億(!)近いお金をほぼ寄付とグッズの販売でかき集めた、という驚きの一部始終が綴られている。

 

バイタリティーの塊のようなスタッフたちが資金集めに奮闘する姿は、涙ぐましいとすら言えるほどで実に読み応えがあったのだけど、それに加えて個人的にグッときたのは、ひょんなことからこの”よりあい”に携わることになった、著者である鹿子氏の内面が吐露される場面だった。

 

東京で編集者として働き、福岡に戻りフリーになったはいいものの仕事がなく(選り好みしすぎ、な節も感じられるが笑)、自ら言うところの売れっ子ならぬ”干されっ子”だった鹿子氏。そんな崖っぷちに立たされた中年男が”よりあい”と出会い、ずっぽりと関わり、スタッフから「あなたが作った”よりあい”の雑誌を読みたい」と依頼され、次第に再生していく姿…

 

”ジャーナリズムに通常求められる客観性よりも、自らを取材対象の中に投じてその本質を伝えることを重視する”、というゴンゾー・ジャーナリズムってスタイルがあって、この”へろへろ”なんかはまさにそうなのだが、それ故に良くも悪くも鹿子氏のクセ・思想が前面に出てる語り口にちょっと戸惑ったりもするんだけど、いい意味でそれが独特過ぎる介護施設である”よりあい”の魅力を伝えるのにはハマってると思った。


もちろん年々切実度を増してる日本の老人介護の問題を考えさせられ本でもあるけど、登場する人たちがカラッとしてるからか読後感がなんとも爽快なのだ。ここに一抹の希望があるような気すらしてくるし、読む者に沸々と元気を与えてくれる、そんな本ですよ。


 福岡に立ち寄った際は是非この”よりあい”に行ってみたいって気分になること間違いなしの感動作。あとこれ、映像化してほしいよね。もっといろんな人にこの本の存在をしてほしいな。

 

空き地が増えていくこの街で

日々の徒然

日本のどこの地方都市でもそうだと思うが現在開発が進んで人口が増えてる地域と、2.30年前にそうした開発が行われ、今は住んでる人たちの高齢化が進み街全体が老化してる地域がある。

 

俺が住んでる地域はまさにこうした街全体が年老いてる、といった感じだ。親世代が建てた家を改築したりして、その子供世代がそのまま住めばいいのだろうが、実際はそうした世代の人たちは郊外の小奇麗な分譲住宅に移り住んだり、更には仕事場への利便性や生活にかかわる快適さ、はたまた大都市圏の持つ活気を求めて他県に行ってしまうというパターンも多いのだろう。

 

実際仕事柄、老齢のご夫婦またはお一人で暮らしてる家に顔を出すことがよくあるんだが、その際に『子供たち家族は県外に住んでて、もう私が死んだら誰もこの家には住まないのよ~』なんて話を聞くことが実に多い。

 

地方消滅 - 東京一極集中が招く人口急減 (中公新書)

地方消滅 - 東京一極集中が招く人口急減 (中公新書)

 

 

福岡からこの街に戻ってもうすぐ20年になる。戻った当初から比べると、家の近所にも随分空き家・空き地が増えたな、と思う。

 

更地になった空き地を眺めてると、かつてそこにあった人の生活の匂い・記憶がまだかすかに残ってるような気がして、そうしたものが跡形もなく消え去ってる寂しげな情景に、なんとはなく心を惹かれるのだった。

 

https://www.instagram.com/p/BDwnGaGk_54/

今日の空き地 1#空き地#Vacant lot

https://www.instagram.com/p/BDwnVY3k_6c/

今日の空き地 2#空き地 #Vacant lot

https://www.instagram.com/p/BDwncEQk_6o/

今日の空き地 3#空き地 #Vacant lot

https://www.instagram.com/p/BDw9dDUE_w4/

今日の空き地 5#空き地 #vacantlot

 

そういや、一人っ子で人と積極的に関わることが今も昔も苦手で、中学の頃は友だちが校庭でキャッキャと野球をしてる姿を2階の図書室でボンヤリ眺めてたっけ…”人のいる・いた気配”を外野から眺めるのが俺にとってデフォルト?基本的な立ち位置、なのかもしれん。

 

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しかし数年前、鳴り物入りで出来た駅前のビルの一階、一番目立つ場所のテナントにいつまで経っても店舗が入らず、ピッカピカのガラス張りの器だけが大袈裟に鎮座している風景はどこか滑稽で、いわゆる”地方都市の衰退”が如実に証明されているようで、住んでる身としてはなんとも寂しくなってしまう。

 

気落ちするようなことばかり書いたけども、どうも性格的にこうした侘しい事柄に目が行きがち、だから仕方がない。この街に住んでる限りは”侘しいもの”、”朽ち果てたもの”好きの琴線に触れる風景には事欠かないんだろうな、良くも悪くも。

 

 

ここは退屈迎えに来て (幻冬舎文庫)

ここは退屈迎えに来て (幻冬舎文庫)

 

 (↑”都会から出戻った者”と”地方都市に留まった者”のそれぞれの淡く哀しい物語が面白かった)