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グッバイ・クルエール・ワールド~新たなる旅立ち~

ときに熱くなったり、冷たくなったりするブログ

清々しい”左派系”イギリス映画『パレードへようこそ』観たよ!

映画 音楽

 

今しがたデンキカンでイギリス映画"パレードヘようこそ"を観てきたよ。

1984年、イギリスで炭鉱労働者たちがストライキを起こした。それを応援すべく、レズビアン・ゲイの活動家グループが炭鉱夫の家族のために募金活動を始める。全国炭鉱労働者組合は同性愛者の団体から公に支援を受けることに対して抵抗感を持っていた。そのため、活動家たちはウェールズにある小さな炭鉱町、オンルウィンに直接寄付をすることにした。結果として、炭鉱労働者たちと同性愛者たちの間で、協力を模索する動きが出てきた。当初、両者の協力は失敗に終わると思われていたが・・・。

wikipediaより 







映画のオープニングで昨年94歳で亡くなった、プロテストフォークの伝説的シンガー、ピート・シーガーの「連帯は永遠に(Solidarity Forever)」というガッチガチの労働歌が高らかに鳴り響いてきたときには、正直ちょっとビビった。まぁ題材的にある程度予測はしてたんだけど、それを上回る思いっきり"左寄り"で"真っ赤っか"な映画じゃねぇか、って。





でも、こうした政治色が濃い内容にもかかわらず、 いい塩梅で笑える要素が詰まってて、実に肩の力が抜けた作りになってたのがよかった。 (そもそもイギリスの映画界って巨匠、ケン・ローチを筆頭に左寄りの人が多いそう)


特に笑ったのが、支援される側の炭鉱村の田舎っぺ丸出しな肝っ玉母ちゃんたちの子供のようなはしゃぎっぷり。ロンドンに招待された彼女たちは好奇心の塊で、怪しい雰囲気のアンダーグラウンドなゲイディスコにもガンガン突撃していって、ブロンスキー・ビート(懐かしいね)なんかでガンガン踊っている。宿泊したゲイカップルの寝室に置いてある、その手の雑誌のきわどいグラビアを見ながらゲラゲラ笑ってる。そんな彼女たちのあっけらかんとした素朴さが、とかく深刻な色合いになるこの映画のトーンを明るくしてたってわけ。







それとゲイ・レズビアンの青年たち。道を歩いてるだけで石を投げつけられる、80年代イギリスの同性愛者に対する過酷な状況の中で、マッチョイズムに支配された炭鉱労働者に何度断られても『彼らと自分たちは同じ敵・サッチャーと戦う同士だ』と言って炭鉱ストへの支援を諦めないその姿に、ちょっとウルッとさせられた。いやぁ、こうゆう信念を持って行動する、打たれ強い人たちのひたむきさには心打たれるものがあるよね。








 あと、この映画で話題になっていたのが、当時のブリティシュポップスがふんだんに使われていること。特に冒頭に使われたザ・スミスの"What Difference Does It Make"には、あぁ、そりゃもうグッときたよ、きたともさ!






( ちなみにザ・スミスとこの映画について触れているブログを見つけたのでリンク貼っておきます↓。とても素晴らしい文章)

「パレードへようこそ」と"What difference does it make?"



しかし俺がザ・スミスをリアルタイムで聴き狂ってた中学時代は、実際の話、どうして彼らがイギリスであれほどまでに熱狂的に支持されているのかが、そこまで掴めてなかったんだけど、この映画観てようやく分かった気がする。


ザ・スミスの、モリッシーの唄ってゲイや苛められてる人だけじゃなく、それこそ炭鉱労働者のような、あの時代のイギリスを生きた"虐げられていた人たち"全てに響いてたんだな、きっと。


それは最近読んだザ・レフト─UK左翼セレブ列伝 (ele-king books) [単行本(ソフトカバー)]という本に

どうやら同世代の英国人たちの話を総合すると、ザ・スミスを聴いていたのはゲイ・プライドに参加していた若者たちだけではなく、(ゲイに)石を投げていた側もそうであったということだ。つまり、ザ・スミスは両側から愛された珍しいバンドだったのである。


と記してあり、さらに確信した次第。



…とにかく観終わってこれほど清々しい感動を憶えた映画も近年なかったなぁ。特に80年代ブリティシュロックを聴いてた人たちならマストで観るべき!だと思うぜよ。